いちご白書 2023年3月号

今回のクイック税務は”インボイス制度”についてです。きちんと理解して考えを深めましょう!

今月のケース
インボイス制度の準備は進んでいますか その①

インボイス制度の開始まであと半年となりました。準備は進んでいますでしょうか。今回はインボイス制度の基本を振り返りながら、売手の場合と買手の場合に分けてその進捗を確認して参りたいと思います。今回は売手の場合を取り上げてみます。

インボイス制度とは

インボイス制度とは、原則として、消費税の適用税率や税額等を正確に知らせるための書類 である適格請求書等(以下、インボイス)を、下表のそれぞれの立場で保存する制度のことをいいます。



消費税の課税事業者である買手からの求めに応じてインボイスを交付し、その写しを保存(交付できるのは、適格請求書発行事業者のみ)

仕入税額控除を適用するために交付を受けたインボイスを保存

このように、それぞれの立場で準備が異なります。

売手の場合

(1)誰が交付できるのか

適格請求書発行事業者は登録制であり、消費税の課税事業者でなければ登録申請することができません。そのため、免税事業者は、インボイスを交付することはできません。

 インボイスの交付を求めるのは課税事業者であることから、売る相手が消費者等であれ ば、適格請求書発行事業者になる必要はありません。他方、売る相手が課税事業者の場合は、大抵の場合、適格請求書発行事業者になる必要が生じてきます。特に売手が免税事業者の 場合は、適格請求書発行事業者になるために 課税事業者となるか否かを検討する必要があります。

(2)登録手続

インボイス制度の開始日(10月1日)を登録日とするためには、9月30日までに登録申請をする必要があります。  

登録を済ませたら、買手に対して登録した旨や、交付するインボイスの種類などの情報を共 有しておくとよいでしょう。

(3)インボイスの準備

 適格請求書発行事業者になった場合には、どの書類をインボイスとするのか検討し、準備します。インボイスには必須となっている記載内容の他、消費税の端数処理のルールなどが あります。システムを利用する場合、写しの保存方法も含めて改修などの対応が済んでいるか、確認しましょう。

(4)納税計算

  売上に係る消費税額を計算する方法は、割戻し計算と積上げ計算があります。


主なチェックポイント

□ 適格請求書発行事業者の検討は済みましたか。

ー 以下は、適格請求書発行事業者の場合 ー

□ 登録申請はしましたか。(いつ申請するか決めましたか)
□ インボイスとする書類の決定等、準備は済みましたか。
□ 買手に対して、登録事業者となった旨やインボイスとなる書類などの情報を共有しましたか。 
□ 売上に係る消費税額の計算方法は決めましたか。

もっと詳しく知りたい、相談したいという方は、お気軽にお問い合わせください!

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私たちのミッション

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